限定版ゲーム機について
(文中で紹介している「ロクヨン裏通り商店街」は'02年6月30日に閉鎖しました。閉鎖間際に知ったのですが、「ロクヨン裏通り商店街」の管理者さんは任天堂専門のゲーム情報誌の編集者で、6月一杯にその仕事もお辞めになったとの事。今は、その知識を生かし、「ロクヨン裏通り商店街」のような個人サイトでなく、企業などの法人の枠組でサイト作り&任天堂のゲームの良さを伝えていってるらしいです。) 昨今、「限定版ゲーム機」というものがたくさん出回っている。「限定版ゲーム機」の中でなんといっても多いのが「ゲームボーイ(GB)の限定版」である。「限定版」といっても普通のものと性能は変わらず、本体のカラーリングに違いがあるくらい。ではどこが限定版なのかというと、「○○の店でしか手に入らない」とか、「○○台しか生産しない」とか、そういう意味での「限定」なのである。 この話を進める上でまずロクヨン裏通り商店街の限定版GBギャラリーを見てもらいたい。このサイトでは今までに発売されたすべての「限定版GB」をキレイにわかりやすくまとめてある。各々の限定版のパッケージ写真を載せるとともに、レア度やオークション相場の目安などを掲載していて非常にわかり良い。 さて、いろいろな限定版が存在しているのがわかるが、自分は仮にもゲームオタクなのでそのほとんどに見覚えがあるというか、ゲーム雑誌や何やで見た記憶のあるものが多い。ただ、コレとコレはココで初めて知った。 1つ言いたい。 この「限定版GBギャラリー」のHP製作者のコメントを見てもらってもわかるのだが、あまりに「ダサイ限定版」が多くないだろうか?いや、絶対多いと思う。 ちなみに自分はこの限定版を持っている。買うときに納得して買ったわけではあるけれど、なんというかあらためて見るとあまりキレイなグリーン色をしているとは言えず、HP製作者がコチラで同タイプのものにコメントしているように、「ちょっと地味」な印象を受ける。 特に最近のゲームボーイアドバンス(GBA)の限定版は、限定とは名ばかり、店のディスプレイで嫌になるほど見かける。もはや「限定」ではない。 限定でもなく、カラーリングもダサく、そんなふうでは外観そのもので衝動買いする機会が極端に少なくなる。中には外観に惹かれて買う人もいるだろうが、全体としての訴求力はそう高くないと予想されるし、ライバル会社のソニーのデザインセンスに比べればまだまだ。任天堂はいつも「中身で勝負」と言うが、中身だけでなく外観もとても重要だと思うし、外観で大きく得をしているのがライバル会社のソニーやマイクロソフトだと強く感じる。(少し違うかもしれないが、どうしても任天堂が「外観では勝負のできない、中身で勝負せざるをえない会社」に思える。) このセンスのなさは正直マズイ。ところどころ見た目が良さげなのもあるが、しかし全体的にどうしても地味だ。これでは携帯ゲーム機シェア1位の座も簡単に奪い取られるのではないか?と個人的に心配になったりする。ソニーが本気を出して見た目のカッコ良い携帯ゲーム機を出してきたなら、たとえそれが同じ性能かそれ以下のものであってもシェア1位の座を奪われる可能性が高いという気がする。携帯ゲーム機は1万円ほどで手軽に買えるから、いつでも乗り換えが可能なのだ。 もうこの「カラーリング」の件については、若者世代に絶大な人気のあるイラストレーターやマンガ家などを起用し、彼らから直にアイディアをもらったほうが良いのではないだろうか? そして更に、「限定版」としての価値を高めるため、生産台数は絶対5000以下にしてもらいたい。最初に「5000台限定」と言っておきながら、人気が出ると増産するのが任天堂なのだが、それは「限定」という文字に弱いタイプの人間をシラケさせるのでヤメテもらいたい。 特に自分は「珍しくてハイセンスなGBA」が欲しくてしょうがない。たとえば今、宇多田ヒカルをはじめとしたアーティスト達の多くが独自のイラストレーション、キャラクターなどを描いて(宇多田の場合「CHUICHI」を描いて)人気を得ているが、そういったアーティスト達にデザインしてもらったGBAがまめに発売されたらかなり楽しいと思う。自分だったら(これは絶対無理だと思うが)RADIOHEADのデザインしたGBAがもしも出た日には「死ぬ気で入手」すると思う。 なんかそういう企画を練ってほしいけど、実際に↑の企画ではあまり利益が出なさそうだし、むしろ↑の企画はソニーっぽい企画なので任天堂にはあまりやってもらえそうにない。任天堂は任天堂らしく、何か独自の惹きつけるアイディアが必要かもしれない。 しかし、もしソニーが「超クールな携帯ゲーム機」を出してきたら、PS2との互換もじゅうぶん考えられるし、何の迷いもなく買うユーザーは多いだろう。自分ももしソニーのほうがデザインなどのセンスが良ければ、乗り換える可能性が大きい。先ほども書いたように携帯ゲーム機は1万円以内で買えるハードだから、乗り換えるのはたやすい気がする。乗り換えるのがたやすく、まったく性能が一緒、もしくはほとんど変わらぬ性能ともなれば、カッコ良いほうを選ぶのが人間の心理ではないか?そうなるとソニーにも分があるし、事業の三本柱の1つとしてテレビゲーム分野をあげたソニーだからこそ、携帯ハードに手を出さないとはいえず、今後の展開が気になってならない。 参考:ロクヨン裏通り商店街←資料的価値が高く、リンク集も充実。スゴイ。 参考:任天堂公式ページ←一応 参考:奈良美智 - HAPPY HOUR←本気でこういう人にデザインしてもらいたい。 ('02年05月26日制作)('02年07月12日追記) |