スターガール

この本はうるさく説明したくない。オススメだからぜひ読んでほしい。

作者はジェリー・スピネッリ、訳は千葉茂樹、出版は理論社。インターネットで買うならたとえばAmazon.co.jpが良い。←目的の本に直リンクしておいた。

この本はアメリカでも話題になって、ペアレンツ・チョイスの金賞を受賞したり、パブリッシャーズ・ウィークリー誌の全米書店員が選ぶ「2000年いちばんすきだった小説」に選ばれたり、パラマウント社と映画化の契約をしたり、人気を博している。

ストーリーは詳しく説明したくないのだけど、少しだけ説明すると、主人公の男のコの学校に、ある女のコが転校してきて、そのコを中心に物語が進んでいく。主人公の少年とその友達、いろんなクラスメート、大人達、そして転校してきた女のコ、とにかくたくさんの登場人物を交えて、物語をより一層ワイルドにしている。

読んだときの味わいとしては、「星の王子様」のような感じ。不思議な味わい。

本当はもっといろいろ書きたいのだけど、まだ読んでいない人が見たら困るのでガマンしよう…。

自分がこの本を知ったキッカケは黒澤優の存在である。黒澤優とは、2001年までモデル・女優として活躍していた故黒澤明監督の孫娘の事なのだが、2002年の1月上旬に、19才の若さで結婚・入籍して、今現在は休業(もしくは引退)といった状況にいる。

自分は彼女の言わずと知れたファンだったのだけど、彼女が結婚したときはいきなりで少しおどろきはしたけれど、それでも「極めて彼女らしいなぁ」と、心から祝福していた。

彼女の結婚がわかって大騒ぎしていた頃(1月上旬)、彼女の記事が掲載された雑誌がひとつ発売されたので、それを買ってきた。その本はダ・ヴィンチという、本を紹介したりなんかする雑誌で、その中で黒澤優さんが1ページに渡って1冊の本を紹介していた。

察しの通り、それが「スターガール」だった。彼女はお父さんからその本をすすめられて(注:彼女と彼女のお父さんはとても仲が良い)その本を読んでみたらしい。読んでみてとてもイイ本だったので、記事の中で紹介してくれていた。

自分はすぐさま…というわけにはいかなかったけれど、しばらくしてから本屋でスターガールを手に取ってみた。本の装丁が女のコ向けっぽくて、フツーの男である自分としては、手に取ってからレジに持っていくまでけっこう時間がかかった。

なんとか買って、部屋の目立つところに置いておいた。置いておいたのだけどなかなか読む気がせず、それから1週間くらいして少しずつ読み始めてみた。

3分の1くらいまでじわじわと読み進めていたのだけど、ある日曜の朝(4時か5時)、残りを一気に読みほした。

もうなんといったら良いのか、心にズンときた。いてもたってもいられずに、まだ早朝なのに玄関から飛び出して、近くの坂道を駆けあがって、駆けあがった先のお寺の境内で、ぼんやりと座り込んだ。

たとえば自分は吉本ばななの小説を読んで「ちょっとクサイな」と思ってしまう人間なのだけど、この本はそれっぽくもあるのにそれっぽくない。読んでいない人に先入観を与えたくないから、これ以上は何も言わない。

出版社のHPでもこの本を紹介しているのだけど、そのページは紹介したくないので紹介しないでおく事にする。というのは、個人的な見解ではあるが、露骨な宣伝をしている感じがして、この本の実際のイメージにそぐわない気がするから。

本はよく、「感動する!」とか「○○(人気テレビ番組の名前)で紹介された!」とかいった形で宣伝されていたりするけど、なんだかそういうのは本を「安売り」しているようで感心しない。せっかくの良い本も、なんだか安っぽく見えてしまう気がする。そんな下品な宣伝の仕方じゃなくて、もっと上品に宣伝してほしい。本当にすばらしい本なら尚更にそうしてもらいたい。

この本について特別にHPを制作しようかとも思っている。もし作るとしたなら映画が公開される前には絶対に作りたい。もし自分より早くHPを作る人がいたなら、デザインや内容が優れていればその人にお任せして、自分はそこの常連にでもなる。

10代や20代に丁度良い内容。普段あまり本を読まない人でも心配なし。

('02年04月20日制作)

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