ファイアーエムブレム封印の剣
(批判的な内容になっています。読んでムカつく可能性が高いので読まないほうが良いと思います。面白くもありません。) 「ファイアーエムブレム封印の剣」は2002年3月29日に発売されたゲームボーイアドバンス(携帯型ゲーム機)用のソフトである。ファイアーエムブレムは任天堂の歴史ある作品の一つ。1990年にファミコンで発売されて人気を得て、シリーズ化し、封印の剣はシリーズ6作目となる。 自分がシリーズで遊んだ事があるのはスーパーファミコンで発売された4作目の「ファイアーエムブレム聖戦の系譜」と今作の封印の剣の2作のみ。 ファイアーエムブレムというゲームをまったく知らない人にこのゲームを一言で説明すると、「とことん難しいゲーム」。碁盤目上のマップの上で将棋の駒のような兵士達を動かし、敵と戦わせ、王様(ボス)を倒し、城や砦を制圧すればステージクリア、そしてまた次のステージへ…というゲームシステム。いわゆるシミュレーションゲームで、騎士や魔法使いなどが入り乱れ、伝説の武器が多数登場し、王道も王道なストーリーが展開する。 このゲームの魅力は頭を使わせるゲームシステムとキャラクター達である。 普通のゲームは途中でセーブできて、何度もやり直しがきくけど、ファイアーエムブレムはそうはいかない。一応セーブはできるが、こまめにセーブさせてはくれず、それぞれのステージの初めに一度ずつしか機会がない。その上、登場するキャラクターは死んだら死にっぱなし。ドラクエのように教会に行って生き返らせたりはできない。ステージの攻略途中でキャラクターが敵にやられてしまった場合、もう二度とそのキャラの姿を拝む事ができない。(なのでもし死んだのが気に入らなければ章の始めからやり直すしかない。) 死んだら最初からやり直しなので、なるべく慎重に、よく考え、ゲームを進めていかねばならない。本当に戦場に赴いている気分になってくる。ちなみに主人公のロイというキャラが死んだ場合は即ゲームオーバーなのだが、他の仲間が死んだ場合は関係なくそのまま進める事ができる。 「それなら死んでもやり直す必要ないじゃん」と思う人もいるだろうが、たしかに死んだからといってやり直す必要はない。やり直す必要はないのだが、章が進行するにつれてステージがだんだんと難しくなっていくので、戦力となる強いキャラを死なせたまま進めてしまうとのちのち大変つらい状況に陥る。主人公のロイはそんなに強くはないので仲間がいないと簡単に殺される。ロイは将棋でいう「王将」みたいな存在だ。それ自体は強くない。 キャラクターは物語が進むうちに少しずつ仲間になっていく。その多くは、すでに仲間になっているキャラクターを介して仲間になる。仲間になっているはずのキャラクターがすでに死んでいる際は新しい仲間を紹介してもらえず、仲間にならない。死んでいるキャラクターが多いとその後に仲間になるキャラクターも減って悪循環に陥ってしまう。キャラクターの中には特別なイベントを起こすのもいて、そういった観点からしても無闇やたらに戦死させるわけにいかない。 とはいえ、最初にも言ったようにこのゲームは「難しい」。油断すると次々と死んでいく。1つのステージをクリアするのにかかる時間もけっこう長め(1、2時間くらい)なので、クリア直前(制圧直前)に仲間が死んでしまった場合はやり直すのがイヤになる。メンドウなのでそのまま進めたり、どうしてもこだわる人はまた最初から始めるが、ショックはぬぐえない。 キャラクターは次々死ぬ事を予想してかたくさん用意されている。将棋やチェスとは違い、それぞれの駒(キャラクター)に性格や顔があって華やか。キャラクター同士の過去の因縁、恋愛なども描かれていてゲームの楽しみの1つとなっている。 このゲームは特にオススメではない。 正直言うと、自分はこのゲームはあまり好きではない。このゲームは遊んでいて苦痛を伴う事が多い。たとえば、気に入ったキャラが死んだら最初からやり直さなくてはならなくてゲンナリするし、それぞれのキャラクターのレベルアップ時のパラメータの上がりが完全にランダムで、よく上がるときとまったく上がらないときの差が激しく、最高レベルに達しても初期レベルの状態とほとんど変わらぬ事がざらにあるし、気に入ったキャラを大事に育てれば活躍するかというとそうでもなく、気に入らないキャラでも強ければ利用せざるをえないし、何よりも「長時間考えるゲーム」で、「ヒマなときに気楽にやれる」とは言いがたく、遊んだあとに疲れてしまったりする。ストレス解消して他の物事に集中できるとは言えない。ゲームにエネルギーを奪われる。ある意味で本末転倒。 個人的に気に入らない点を加えると、キャラクターが個性的でバラエティーに富んではいるが、自分は特に気に入ったキャラクターを見つけられなかった。(もともと自分は心を動かしにくい人間なのでしょうがない面もある。)あと、物語が「王道」ではあったけれど、なんだかしょぼかった気がする。予想だにしないスゴイ戦乱に巻き込まれたような語り口だったが、実際にそれを感じる事ができなかった。(ごくフツーの戦乱にしか見えなかった。)キャラクター達の絵がそれぞれ1枚限りなのもしょぼく感じた。喜怒哀楽を考えてそれぞれのキャラクターにつき何枚か用意してくれていても良かった気がする。特にいつでも明るい顔をしている主人公のロイには違和感があった。 気に入ったキャラが見つからなかったのが何より痛かった。このゲームは恋愛模様なども描いているのだけど、気に入らない「カップル」も多数存在した。比較的に気に入った者同士でカップルにさせたくても、イベント自体が用意されてなくてカップルにできない事もあり、かなり閉口した。 自分のかつて遊んだ「ファイアーエムブレム聖戦の系譜」では自由恋愛が可能であった。気に入ったカップルを成立させる事ができ、そのカップルの間でできた子供の代にまで物語が続いて、それぞれの親の能力を引き継いだ子供世代の活躍がかなり楽しかったのだが、今回は製作者の思い通りのカップルしか成立しないようで、個人的にかなりだるくなってしまった。 聖戦の系譜ではステージの途中でもしっかりセーブができて、レベルアップ時のパラメータをとことんこだわる事ができた。パラメータの上がりが悪ければ何度もやり直してたくさん上がるのを待つ事ができ、それが個人的に楽しかったのだけど、今作ではそれもできなくなった。より一層「運任せ」になった。「運任せ」なゲームは自分は非常にキライ。 あくまで「趣味に合わなかった」という次元なので、このゲームはゲームとして、趣味さえ合えばかなりくるゲームに違いない。懇切丁寧には作られている。もしキャラクターが2、3人でも趣味に合えば2周目を遊んでみる気も起きるのだが、趣味に合わないものばかりで自分は断念せざるをえない。かなりの「マゾゲー(マゾヒスティックなゲーム)」なので、マゾの気のある人なら長く遊べるゲームかと思う。自分には耐えられなかった。同じマゾゲーのバイオハザードは好きなのだけど、このゲームはツライ。糸井重里が「釣り」の事を「オモツライ(オモシロイ+ツライ)」と言っていたが、このゲームを真に楽しむ人もオモツライ思いで楽しんでいる事だろう。 参考:かわき茶亭←オススメのファンサイト。 参考:2chの支援会話集←充実。2ちゃんねるの攻略はスゴイ。 参考:ほぼ日刊イトイ新聞←樹の上の秘密基地の1コンテンツ。 ('02年04月25日制作) |